(就労ビザ)就労ビザが不許可になりました。「働いている会社が悪い」という理由なのですが?

就労ビザ不許可

相談:会社にやってもらった留学から就労資格へのビザ変更が不許可になりました。入管に呼び出されて行ったのですが、とても怒っていました。「君の会社はダメな会社だ!」と言われたのです。困っているので、一緒に入管について来てもらって、先生から職員さんに「どういう事なのか?」ともっと細かく聞いてもらえないでしょうか?

回答:人文知識国際業務・技能・技術、は、「日本の公私の機関(雇用してくれる会社)」に就職する人に与えられるビザです。

「雇用してくれる会社」が、どういう会社なのか?という点も審査の対象になっています。

よって、「あなたは良い人だ!」と入管は判断していても、「働く会社がダメだ!」という事情で、ビザ不許可になる場合があります。

 

※契約先の機関(勤め先)について、①事業の安定性継続性(経営が安定している)、②事業の適法性(悪い会社ではない)、の審査がなされます。

契約先の経営が、健全で適法に運営され、経営状態が安定性・継続性がなければ、勤めている外国人がいつ解雇されてしまうかもしれず、その場合不法な滞在につながる危険があるためです。

 

相談ケース1:事業の安定性・継続性(経営が安定している)に問題がある場合

相談者と入管に行って、詳しい事情を聴いてみると、不許可の事情が詳細に判明しました。ソフトウェア開発業の勤め先に、理系大学の情報処理学科を卒業した留学生が務める為に、技術ビザへの変更申請をしたのですが、下記の2つの理由により、「契約先の期間の事業の安定性・継続性」に問題があるので、不許可になったのです。

この勤め先は、「A:個人経営」で「B:決算未到来の開業半年目」だったのです。

A:個人経営の事業所の場合、不許可になりやすい

法人格を有しない個人経営の事業所でも「日本の公私の機関」に該当しますが、事業の安定性・継続性についての立証がネックとなりますので、できれば法人化すると良いでしょう。

人材派遣会社は、派遣元及び派遣先の事業の適法性・安定性・継続性が求められます。

B:決算未到来の事業所の場合、不許可になりやすい

最近よく「これから会社を作りたいのだが、外国人をたくさん雇って派遣させたい!なので、(まだ事業を立ち上げてないが)ビザの申請を頼む!」と相談してくる若者達がいます。

会社の経営が安定しない「開業1年内、決算未到来」の企業で、外国人を雇用しビザを取るのは実際きわめて難しいでしょう。「事業計画書」などを提出して申請を受け付けてはもらえます。ですが、厳しい戦いになるのは必至です。開業1年内に人材を多数雇用するということ自体が、不自然とも言えるからです。

 

相談ケース2:事業の適法性(悪い会社ではない)に問題がある場合

数年に1回相談がくるケース。「自分でやって失敗したので入管についてきてくれ」と言われ、行ってみると、入管の職員さんから耳を疑うような話を教えてもらうことがあります。

審査官曰く、「会社はとある新宿の(自称)IT企業。そこで10人以上の留学生を雇用し、技術ビザを取らせている。不自然に多いので、会社のほうへ調査へ行ってみると、事務所はあるが、人が出入りしている形跡がなく、営業の実態があるとは思えない!なので、この子の申請は不許可にしたのです!!」

つまり「偽装して働いている事にしてあげて、留学生からお金を取って、就労ビザを取らせている不法企業だったのです!」

※相談してきた子が入管の担当者に、当たり前のように下記のように説明していました。

「月5万円で仕事をする場所を提供してあげます。デスクやPCは自由に使っていいし、弊社の社員として勤務してもらいます。仕事は自由にとって自由にやってもらってください。ここはフリーランスの人達が集まる企業です。ビザももちろん取れますよ!と言われたのだが?ダメなんですか?」

審査官と私、「知らなかったのかもしれないですけど、それって違法ですよ!もちろんビザは取れません!」

 

☆アドバイス☆

就労ビザの取得は「自分」の審査と「会社」の審査があります。

いくら条件が良いからと言って、「悪い企業」に勤めてビザの申請をしたら、ビザが不許可になり日本に暮らす事はできないし、日本に来る事すらできなくなりますよ?

語学で2年・大学で4年。6年日本で暮らし学び続けてきても、日本で働くことはできなくなりますよ?

決して、怪しい声に耳を傾けないようにしてください。甘い話は疑りましょう。

もし、「変だな?」と思ったら、入管に相談をすればいいのです。

私たちの事務所や、ビザの専門家に相談をしてください。

違法なことに手を出したり、手を貸したりすれば、今までの努力がすべて無駄になってしまいます。常に正しい道を!

 

 

 

 

 

 

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