両親のビザ申請が不許可になった

2017-2-22

相談例:母国に住んでいる「年老いた親を呼ぶ申請」をしたのだが、不許可になった・・・いったいどうして・・・

 

毎月、次のような不許可の相談があります

ケース1:親を呼んで「投資経営ビザ」を取って日本で暮らさせていたのだが、急に「更新拒絶」となった!経営ビザをしてくれた行政書士は「諦めろ」という。いったいどうすれば?

ケース2:親を「短期滞在:家族招聘」で日本に呼んでいた。短期滞在を90日間延長したり、一旦帰国させてすぐ再来日させたり、何度も短期滞在を繰り返していたところ、空港で「次はないぞ!」と宣告された。もう、両親は日本に来ることはできなくなるのでしょうか?

自分の「親」を呼んで日本に中長期滞在させるビザは、もともとは用意されていませんでした

よくある勘違いですが、「家族滞在」や「定住ビザ」で両親を呼ぶことはできません!

 

ケース1について

そこで、以前流行った「インチキ?」の方法として、親を「投資経営資格」でステイさせる方法を、確かによくききました

うちではお断りしていたケースです。

確かに「法令違反」ではないので、知識のない行政書士が「この方法を勧めていた」という話を聞いたことがあります。

(無知なわけではなく、投資経営ビザは報酬が高額なので、わざと知らないふりをしていたのか・・も?)

確かに、ちゃんと投資して、会社を経営しているのであれば、法令に適合している訳ですから、違法な事ではありません。

ですが、うちではお断りしていた理由として、よく考えてもらえばすぐ理解できるはずですが、「会社を存続させる」というのは、本当に大変な事なのです。日本では3年内に90%の会社が倒産すると言われています。

そんな状態で「年老いたご両親に本当に会社を経営させたりできますか?」。会社が倒産したらビザはどうなるでしょうか?

この方法は、将来的に破たんするのが目に見えています。

 

ケース2について

そして、緊急避難的に、「短期滞在」を繰り返させる方法は現在でもよく使われています。90日呼んで、帰国させて、またすぐに短期滞在で90日呼ぶ・・という事を繰り返すやり方です

これも「その時はいい」かもしれませんが、「1年に半分以上短期滞在で日本にステイすることは望ましくない!」という入管の目安があります。

ですので、何度も繰り返しやっていると、空港で別室に呼ばれて叱られる・・そして破たんする・・といういつものパターンです。

短期滞在は、字にある通りで「長く日本にいることは不可能」なのです。

「その時だけよければ、後はどうでもよい」という典型的にダメなやり方です

 

ただし、そんな方法をとらなくても、両親を呼ぶ在留資格は用意されているのですよ!

 

「家族滞在」や「定住ビザ」では両親を呼ぶことはできませんが、明示(告示)された方法ではないものの、「年老いた両親を日本に在留させる」方法はあります(告示外特定活動)

<リンク:告示外特定活動とは?>

ただし、条件が厳しく、提出書類、証明の方法、申請が難しいので、必ず当事務所や専門家のアドバイスを受けて行動ください

特定活動への在留資格変更の条件☆

①おおむね65歳以上の実親で

②本国に配偶者や他の実子がおらず扶養する者がなく

③日本で扶養する在留資格をもつ外国人に扶養能力があること

以上の条件になります。

文章にすると簡単ですが、この3つの条件を「証拠として提出する・証明する」ことは極めて困難ですので、大変難しい申請になります

入管で、提出された資料を基に「単に高齢だからという理由だけではなく、日本で家族と同居し、日本の家族の扶養を受ける必要がある等、この申請には特別な理由がある!」と判断してもらえれば、「告示外特定活動」として在留資格が許可される場合があります。

単に「書類を揃えて提出すればOK」という簡単な話ではありませんので、くれぐれも慎重に行動してください。不許可となれば取り返しのつかない事になる場合があります。

 

数年後、一定年数の在留により、日本への定着性や生活基盤ができれば、より安定的な資格である「定住者」へ在留資格へ変更が認められる場合もあります

 

申請の手順(告示外特定活動の取得方法)

①「短期滞在」の在留資格で呼び寄せる

②「特定活動」の在留資格に変更する

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